「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は、2024年7月19日に発売された、Zマウント用の広角単焦点レンズ。開放絞り値F1.4の大口径ながら手に入れやすい価格を実現した、コストパフォーマンスの高さが光る1本だ。製品担当者へのインタビューや、高性能な「S-Line」に属する「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」との比較を交えながら、その魅力をレビューしよう。
※本記事の製品担当者インタビューは2024年8月に取材した内容をまとめています。
開放F1.4の大口径レンズとしては小型・軽量な「NIKKOR Z 35mm f/1.4」。今回、フルサイズミラーレスカメラ「Z6III」と組み合わせて試用した
開放F1.4の大口径と小型・軽量を両立。価格も魅力
「NIKKOR Z 35mm
f/1.4」の主な特徴
・フルサイズ/FXフォーマット対応の広角単焦点レンズ(Zマウント用)
・焦点距離35mm/開放絞り値F1.4
・開放F1.4ながら小型・軽量
・サイズ:約74.5(最大径)×86.5(全長)mm
・重量:約415g
・フィルター径:62mm
・レンズ構成:9群11枚(非球面レンズ2枚)
・最短撮影距離(最大撮影倍率):0.27m(0.18倍)
・絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
・STMによる高速かつ静寂なAF駆動
・動画撮影に配慮した設計(フォーカスブリージングを効果的に抑制)
・フォーカスリングとは別にコントロールリングを搭載
・レンズ前方部に「S-Line」以外のレンズでは初の金属リングを採用
・防塵・防滴に配慮した設計
・価格.com最安価格94,050円(税込、2024年9月19日時点)
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は、「NIKKOR Z レンズ」の焦点距離35mmの単焦点レンズとしては、「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」に続く2本目にラインアップされた製品だ。
スペックで特徴的なのは、開放絞り値F1.4の明るさながら、全長約86.5mm/重量約415gの小型・軽量設計を実現していること。開放F1.4クラスの大口径レンズは一般的に大きく重くなりがちだが、このレンズは違う。開放F1.8の「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」とそう変わらないサイズ感に収まっている。
NIKKOR Z 35mm f/1.4
約74.5(最大径)×86.5(全長)mm/約415g
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
約73.0(最大径)×86.0(全長)mm/約370g
左が「NIKKOR Z 35mm f/1.4」で、右が「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」。さすがに「NIKKOR Z 35mm f/1.4」のほうが45gほど重いものの、両レンズのサイズ感はほぼ同等だ
左が「NIKKOR Z 35mm f/1.4」で、右が「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」。両レンズの操作性では、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」が独立したコントロールリングを搭載し、「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」がフォーカスモードの切り替えスイッチを搭載するという違いがある
外装は、前方部に高品質な金属リングを搭載するなどしっかりと作り込まれている。高性能な「S-Line」以外で金属リングを採用するのは「NIKKOR Zレンズ」として初めて。操作性では、絞りや露出補正などを割り当てられるコントロールリングを独立して装備しているのが特徴だ。「S-Line」ではないものの、外装や操作性はそれに近いクオリティーを実現していると言えよう。
もちろん「NIKKOR Zレンズ」らしく光学性能も高い。大口径レンズらしい、やわらかなボケを追求しつつ十分な解像感を確保。絞り込むことで細部までシャープに撮影できるとしている。
フォーカスリング(前方の太いリング)とコントロールリング(後方の細いリング)を別々に搭載。指先で触れて違いがわかるように、それぞれに異なる形状のローレットを採用している
マウントはもちろん金属製。しっかりと作り込まれたレンズだ
さらに、「NIKKOR Zレンズ」らしく動画撮影に配慮した設計を採用しているのも見逃せない。STM(ステッピングモーター)によって静粛なAFとフォーカスブリージングの抑制を実現しており、ほかの「NIKKOR Zレンズ」と同様、本格的な動画撮影に活用することができる。
価格にも注目で、開放絞り値F1.4の大口径レンズながら、2024年9月19日時点での価格.com最安価格は9万円台(税込)に抑えられている。「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」よりも1万円程度安く手に入れられるのがうれしい。
専用のレンズフード「HB-115」が付属する
製品担当者インタビュー コンセプトや特徴を聞いてきた
先に紹介したように、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は、開放絞り値F1.4の大口径ながら、開放F1.8の「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」よりも安価に設定されている。
口径の大きいレンズのほうがグレードが低いのは、レンズのラインアップとしては少し不思議な点である。どういった背景でこのレンズが商品化されたのかが気になっている人も少なくないようで、価格.comのクチコミ掲示板には、このレンズの立ち位置や特徴についてあれこれと議論されている。
そこで今回、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」の特徴を掘り下げるべく、製品担当者にインタビューを敢行。本レンズのコンセプトや特徴をうかがってきた。
※2024年8月に取材した内容をまとめています。
株式会社ニコン 映像事業部 UX企画部の町田幸介さん。「NIKKOR Z 35mm f/1.4」の製品担当者で、今回のインタビューにご対応いただいた
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」を商品化した背景を教えてください。どういった経緯で開発が進められたのでしょうか?
まず、「NIKKOR Zレンズ」の歴史を少し振り返らせてください。「NIKKOR
Zレンズ」は、2018年にZマウントとともに誕生し、これまでに超広角から超望遠まで数多くのレンズを商品化してきました。ユーザーのニーズにマッチしたものを投入することを最も重視してラインアップを拡充しています。
Zマウント誕生からしばらくの間は高い光学性能を持つレンズが求められていましたので、まずは「S-Line」のレンズを中心に商品化していきました。大口径の「F1.2シリーズ」を開発したのも、Zマウントだからこそのレンズが求められていたからです。
Zマウント誕生からおよそ6年が経ち、光学性能に対するニーズをある程度満たしてきているなかで、最近は「もっと気軽に明るいレンズを楽しみたい」というユーザーの声が高まっています。その声に応えるにはどういったレンズを作ればよいのか?
を検討した結果、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」の商品化を決定したわけです。
単焦点レンズは通常、開放絞り値が小さい(明るい)ほうが上位モデル、大きい(暗い)ほうが下位モデルのラインアップになることが多いと思いますが、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」は逆転しています。少し不思議な感じがするのですが、なぜこういう形になったのでしょうか?
確かに、明るいレンズが上位に位置するのが一般的ですね。「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は「S-Line」ではなく、光学性能的にも価格的にも「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」が上位、「NIKKOR
Z 35mm f/1.4」が下位という立ち位置ではあるのですが、それぞれコンセプトが異なっているため、明確に上位・下位のヒエラルキーで比較するレンズではないと考えています。
「NIKKOR Z 35mm
f/1.4」は「気軽に明るいレンズを楽しむ」ことを重視してスペックを検討しました。開放絞り値については、「F1.8だと少し暗い」「F1.2だとレンズのサイズが大きくなる」というなかでF1.4を選んでいます。開放F2.4や開放F2.8で筐体をコンパクトにするのも選択肢としてはあるのですが、それだとやっぱり暗い。ボケを楽しめて、かつサイズ感も抑えたいというところで、バランスが取りやすい開放F1.4を選択したわけです。
インタビュー中の町田さん。笑顔を交えて、ていねいに回答していただいた
「気軽に明るいレンズを楽しむ」ことをコンセプトにしたレンズとのことですが、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」はどんな写りをするのでしょうか? また、「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」とはどう違うのでしょうか?
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」はコンセプトが異なっており、描写の傾向が大きく異なります。「NIKKOR Z 35mm f/1.8
S」は、「F1.8シリーズ」ならではの解像力の高さが特徴です。絞り開放から非常にシャープに撮ることができます。
いっぽう、「NIKKOR Z 35mm
f/1.4」は、ボケを重視して、絞り開放だと少しやわらかい写りになるように設計しています。絞ると解像力が上がるタイプで、いろいろな描写を楽しめるのが特徴です。
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は、いわゆるオールドレンズのような特徴を持っているということでしょうか?
イメージとしてはそうなのですが、「NIKKOR
Zレンズ」としてクリアしなければいけないラインは超えているため、絞り開放でも極端に収差が残るわけではありません。Zマウントの思想を外れるようなことはなく、やわらかい描写のなかでもクリアで抜けのよい画質が得られるようにバランスを取って設計しています。
絞ると解像力が上がっていくのですが、F2、F4、F8と絞っていくと「NIKKOR
Z 35mm f/1.8 S」と同等レベルのシャープな描写になります。風景などの撮影で解像力を重視する場合は、絞り開放から1段~2段ほど絞っていただくとよいかと思います。
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と同じ焦点距離/開放絞り値のレンズとしては、Fマウント用の「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」があります。このレンズと比べた場合の描写の違いを教えてください。
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」はZマウント用、「AF-S NIKKOR 35mm
f/1.4G」はFマウント用ということで、それぞれ目指すべきところが異なっています。価格差もあるため、一概に比較できるものではないのですが、両レンズの製品ページなどで公開しているMTF曲線を見てもらうと、ざっくりとした性能では絞り開放からそれほど大きな差がないことがわかると思います。
両者で差が出るとすれば近接です。シチュエーションにもよりますが、特に1mより近い距離で撮る場合、「AF-S
NIKKOR 35mm f/1.4G」のほうが解像感が高く、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は少しやわらかい写りになる傾向があります。ただ、色付きについては「NIKKOR Z 35mm
f/1.4」のほうがよく抑えられていると思います。
左が「NIKKOR Z 35mm f/1.4」、右が「AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G」のMTF曲線
色付きを抑えられるのはZマウントだからというのが大きいのでしょうか?
そうですね、やはり大口径・ショートフランジバックのZマウントの恩恵は大きいですね。特に広角ではフランジバックの短いZマウントは有利です。一眼レフ用と比べるとより自由度の高い設計が可能です。
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は特にどういった使い方に適していると考えていますか?
ボケを楽しむという点では、ポートレートや花、ペットなど何でも撮れると思います。焦点距離35mmという少し広い画角でのボケ表現はとても面白くて、背景をある程度広く取りながら、被写体にそれほど近づかなくてもボケが得られます。この絶妙なバランスを楽しんでほしいですね。
また、F1.4はF1.8と比べて1段近く明るい点にも注目してほしいです。より感度を抑えて高画質に撮れるので、暗いシーンで使いやすいレンズだと思います。
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」を装着した「Z6III」。フルサイズのボケを楽しむのにぴったりの組み合わせだ
今後、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」のような、開放絞り値がF1.4の単焦点レンズはシリーズ化されるのでしょうか? シリーズ化する場合、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と同じようなコンセプトのレンズとして展開するのでしょうか?
将来のことはお話しできないのですが、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」のような、お求めやすいレンズはラインアップに必要だと考えております。「NIKKOR Z 35mm f/1.4」を使っていただいたユーザーからのフィードバックや要望をしっかりと聞いて、今後の開発に生かしていきたいと思います。
※2024年9月10日に、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と同じコンセプトで開発された標準単焦点レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.4」が発表されました。
「NIKKOR Zレンズ」の35mm単焦点レンズは、開放F1.8、開放F1.4ときていますので、次はいよいよ開放F1.2なのかな? と期待しているユーザーも多いと思います。お答えにくい質問で恐縮ですが、開放F1.2の35mmレンズの商品化は検討しているのでしょうか……?
おかげさまで開放F1.2の大口径・単焦点レンズは、50mm、85mmのいずれも大変好評をいただいております。これらのレンズの思想を生かした広角レンズにニーズがあることは十分に理解しており、商品化を検討する必要はあると考えております。
最後に、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」の購入を検討している価格.comユーザーにひと言お願いいたします。
「NIKKOR Z 35mm
f/1.4」は、「気軽に明るいレンズを楽しむ」ことをコンセプトに作ったレンズで、開放F1.4の大きなボケを存分に味わうことができます。絞ったときにカチッとした描写になるのも特徴で、絞り開放と絞ったときの写りの違いを楽しめるのも面白い点ですね。ポートレート、風景、ペット、花など、いろんなシーンで活躍できるレンズですので、ぜひ手に取っていただき、大口径レンズの面白さを体験してもらえればと思います。
また、レンズのクオリティーを考慮すると価格もかなり頑張りました。良質なレンズを安くお届けしたいという、開発者の思いを感じていただけるとうれしいです。
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」の描写を作例でチェック
続いて、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」で撮影した写真をいくつか紹介する。絞り開放で撮影したものを中心に掲載するので、その写りをチェックしてほしい。
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/600秒、ISO100、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/80秒、ISO100、+0.3EV、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/320秒、ISO100、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/40秒、ISO200、-1.0EV、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/200秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:弱め、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/40秒、ISO250、-0.3EV、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F6.3、1/80秒、ISO100、+0.3EV、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:強め、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F2.5、1/400秒、ISO100、-0.7EV、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:強め、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/160秒、ISO100、WB:オート1、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:弱め、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/320秒、ISO100、+1.0EV、WB:晴天、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:標準、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.4、1/8000秒、ISO100、+0.7EV、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」を使ってみて、このレンズはやはり絞り開放での写りに魅力があると感じた。絞り開放では、バキバキに解像するのではなく、抜けのよさと適度な解像感を保ちながら、やわらかなボケが得られるのがとても心地よかった。
輝度差が強いところにピントを合わせても輪郭の色付けが少なく、色収差はよく抑えられている印象。それでいて、滲みのある自然なボケが得られるのだからたまらない。解像感とボケのバランスが絶妙なのだ。さすがに最短撮影距離(0.27m)付近の絞り開放だと、だいぶソフトになって周辺の流れも目立つが、それでもピントの芯はしっかりと残る。
また、F2.5~F2.8くらいまで絞ると、ピント位置の解像感と画面の均一性が向上するのも押さえておきたい。絞り開放からクリアな描写なので、絞っていったときにどこかを境に大きく雰囲気が変わるわけではなく、滑らかに均一性が向上していくのが使いやすかった。
最後に、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」の画質比較をお届けしよう。以下に、絞り値F1.8で撮影した比較サンプルを2点掲載する。
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」を絞り値F1.8で比較 その1
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」で撮影(F1.8)
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.8、1/200秒、ISO100、+0.3EV、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」で撮影(F1.8)
Z6III、NIKKOR Z 35mm f/1.8
S、F1.8、1/200秒、ISO100、+0.3EV、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する、回折補正:する、JPEG
切り出し画像(ピント位置)
切り出し画像(ボケ部分)
切り出し画像(ボケ部分)
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」を絞り値F1.8で比較 その2
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」で撮影(F1.8)
Z6III、NIKKOR Z 35mm
f/1.4、F1.8、1/4000秒、ISO100、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する(固定)、回折補正:する、JPEG
「「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」で撮影(F1.8)
Z6III、NIKKOR Z 35mm f/1.8
S、F1.8、1/4000秒、ISO100、WB:自然光オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、アクティブD-ライティング:しない、ヴィネットコントロール:標準、自動ゆがみ補正:する、回折補正:する、JPEG
「切り出し画像(ピント位置)
「切り出し画像(ボケ部分)
「切り出し画像(ボケ部分)
「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」は「S-Line」に属するレンズで、絞り開放からシャープな画質が得られるのが特徴だ。比較その1、比較その2ともに、比べると、さすがにピント位置での解像感は「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」に分がある。
しかし、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は色付きがよく抑えられており、ボケについては「NIKKOR Z 35mm f/1.4」のほうが良質な印象。色にじみの少ない自然なボケが得られている。また、絞り値F1.8で比較した場合、同じ被写体距離なら「NIKKOR Z 35mm f/1.4」のほうがわずかに背景ボケが大きくなるようだ。
周辺光量落ちについては、カメラボディ側の補正もあると思うが、絞り値F1.8では「NIKKOR Z 35mm f/1.4」のほうが少ない結果になった。
まとめ しっかりと作り込まれたハイクオリティー&ハイコスパな1本
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は、外観、操作性、光学性能のどれを取ってもしっかりと作り込まれた、良質な広角単焦点レンズだ。グレードとしては「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」の下に位置するものの、レンズのクオリティーは「S-Line」に引けを取らないレベルと言ってよいだろう。
画質面では、絞り開放でやわらかなボケを楽しめるのが最大の特徴。ボケ重視のなかでもシャープさを損なわないバランスのよさがすばらしく、解像力重視の「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」とは違った魅力を持っている。
価格は、価格.com最安価格で9万円台(税込、2024年9月19日時点)。「NIKKOR Zレンズ」のクオリティーを満たす、開放絞り値F1.4の大口径レンズとしてコストパフォーマンスは高い。初めての単焦点レンズとしても選びやすい製品だ。
開放F1.4の標準単焦点レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.4」も登場
「開放F値1.4シリーズ」の2本目として登場する「NIKKOR Z 50mm f/1.4」
2024年9月10日、「開放F値1.4シリーズ」と銘打ち、「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と同じコンセプトで開発された標準単焦点レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.4」を発表した。「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と同様、開放絞り値F1.4の明るさと小型・軽量を両立したレンズで、価格は価格.com最安価格で7万円台(税込、2024年9月19日時点)。「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と同様、手に入れやすい大口径レンズとして人気を集めそうだ。9月27日に発売が開始される。
価格.comマガジンでは後日、「開放F値1.4シリーズ」2本目となる、このレンズのレビューも掲載する予定だ。
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