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生活家電 日射量予報と連携して電気代削減! 太陽光発電をより賢く使うパナソニックの「おひさまエコキュート」

電気代が高騰した今、省エネ製品が注目されています。一般的な給湯器の半分以下の電気代でお湯が沸かせる、ヒートポンプ給湯器「エコキュート」もそのひとつ。そんなエコキュートの新モデルとして2024年10月26日に発売される、パナソニック「おひさまエコキュート Yシリーズ」を見てきました。

エコキュートとは

エコキュートとは、冷媒にフロンなどではなく自然冷媒のひとつである二酸化炭素(CO2)を使用し、エアコンなどでも使われているヒートポンプ技術を使ってお湯を沸かす家庭用給湯システムの愛称。パナソニックをはじめ、ダイキンや三菱電機、日立、コロナなどがエコキュートを販売しています。

エコキュートは、大きく分けて、お湯を貯めるタンクが入った「貯湯ユニット」と熱を作るための圧縮機が入った「ヒートポンプユニット」で構成されています

エコキュートは、大きく分けて、お湯を貯めるタンクが入った「貯湯ユニット」と熱を作るための圧縮機が入った「ヒートポンプユニット」で構成されています

家庭でお湯を沸かす給湯器には、ガス式や電気式、石油式など複数の方式があります。そのなかでも電気を最も使うのは「電気温水器」。電気抵抗で発熱したヒーターを使って水を加熱するため、多くの消費電力が必要です。

エコキュートも電気を使用しますが、ヒートポンプ技術で、空気を圧縮して大気中の熱をかき集めて作った熱を使うから省エネ。電気式が電気そのものの力で熱を「作る」のに対し、ヒートポンプは電気で熱を「集める」だけなので、少ない電力でお湯が沸かせます。

エコキュートでお湯を沸かす仕組み。冷媒の圧縮・膨張、空気の取り込みに電気を使います

エコキュートでお湯を沸かす仕組み。冷媒の圧縮・膨張、空気の取り込みに電気を使います

空気中の熱を活用するヒートポンプ技術は使用する電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーが生み出せるため、電気だけでお湯を沸かすのに比べ、消費電力量が約1/3に抑えられます

空気中の熱を活用するヒートポンプ技術は使用する電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーが生み出せるため、電気だけでお湯を沸かすのに比べ、消費電力量が約1/3に抑えられます

同じ量のお湯を沸かしたときの電気代で比較すると、ガス給湯器(都市ガス)の半分程度、電気温水器の約1/4のランニングコストしかかかりません

同じ量のお湯を沸かしたときの電気代で比較すると、ガス給湯器(都市ガス)の半分程度、電気温水器の約1/4のランニングコストしかかかりません

エコキュートは災害時にも役立つ

エコキュートはお湯を使用するたびに沸かすのではなく貯水式なので、タンクにお湯が残っていれば、停電時でもシャワーや蛇口からお湯が出せ、断水時はタンクから直接生活用水を取り出せます(飲用には向きません)。タンク容量はメーカーによって異なりますが、パナソニックは195L(2~4人用)から560L(5~8人用)まで用意。数日の断水程度なら安心して生活できるのではないでしょうか。

パナソニックのエコキュートの貯湯タンクは真空断熱材で覆われているため、短時間の停電ならタンク内のお湯の温度をキープできます。上位モデルには高性能真空断熱材を二重巻きにした「ダブル真空断熱材」を採用し、さらに高い保温性能を実現

パナソニックのエコキュートの貯湯タンクは真空断熱材で覆われているため、短時間の停電ならタンク内のお湯の温度をキープできます。上位モデルには高性能真空断熱材を二重巻きにした「ダブル真空断熱材」を採用し、さらに高い保温性能を実現

パナソニックの真空断熱材はウレタンや発泡系断熱材より格段に薄型。その分、同じタンク容量でも貯湯ユニットのサイズをコンパクトにできます

パナソニックの真空断熱材はウレタンや発泡系断熱材より格段に薄型。その分、同じタンク容量でも貯湯ユニットのサイズをコンパクトにできます

断水時は、貯湯ユニット下のカバーを外して非常用取水栓にホースを取り付ければ、タンクからお湯や水を取り出せます

断水時は、貯湯ユニット下のカバーを外して非常用取水栓にホースを取り付ければ、タンクからお湯や水を取り出せます

「エコキュート」と「おひさまエコキュート」

エコキュートは夜間の料金が安い電気料金プランとセットで使用し、夜間にお湯を沸き上げるのが一般的な使い方。そこに太陽光発電を組み合わせ、夜間の沸き上げ量を減らし、その分を翌日の昼間に太陽光発電で沸き上げることもできます。ただ、最近は夜間の電力需要が増加したことで「深夜電力」プランの廃止や新規受付を終了する電力会社が続々と登場。その代わりに、日中の電気代が安価な「昼間電力」プランを提供する電力会社が増えています。そうした変化に合わせて2022年に登場したのが「おひさまエコキュート」。主に昼間に沸き上げるため、太陽光発電システムと連携させることを前提としています。

ヒートポンプ技術を使った基本的な構造は同じですが、「おひさまエコキュート」は、主に夜間に沸き上げるエコキュートとは異なるものです

ヒートポンプ技術を使った基本的な構造は同じですが、「おひさまエコキュート」は、主に夜間に沸き上げるエコキュートとは異なるものです

主に昼間にお湯を沸き上げる「おひさまエコキュート」は、太陽光発電を多く活用できるだけでなく、沸き上げてからお湯を使うまでの時間が短いため、放熱ロスが軽減できるというメリットもあります。

ちなみに、太陽光発電システムと組み合わせてエコキュートを使っているなら、昼間の太陽光発電で沸き上げる量を設定で増やせば「おひさまエコキュート」と同じような使い方できるのでは? と思うかもしれませんが、夜間に沸き上げる量の割合が決められているため、エコキュートで「おひさまエコキュート」と同レベルの量を昼間に沸き上げることはできないそう。夜間に沸き上げるならエコキュート、太陽光発電を使って昼間に沸き上げるなら「おひさまエコキュート」というように選択します。なお、「おひさまエコキュート」は天候が悪くて太陽光発電が行われない日も、昼間の時間帯に電力を使って沸き上げるので、日中の電気代が安いプランを契約するのが基本。

新モデル「おひさまエコキュート Yシリーズ」

パナソニックは2022年から「おひさまエコキュート」を展開していますが、今回発表された「おひさまエコキュート Yシリーズ」は日射量予報と連携する機能「日射量シフト」を搭載したのが特徴です。ラインアップは、「ウルトラ高圧 フルオート」タイプの「HE-YU46LQV」「HE-YU37LQV」と、「高圧 フルオート」タイプの「HE-Y46LQV」「HE-Y37LQV」の4機種。「HE-YU46LQV」と「HE-Y46LQV」がタンク容量460Lのモデルで、「HE-YU37LQV」と「HE-Y37LQV」が370Lのモデルです。

メーカー希望小売価格は「HE-YU46LQV」が1,266,100円(税込)、「HE-YU37LQV」が1,168,200円(税込)、「HE-Y46LQV」が1,147,300円(税込)、「HE-Y37LQV」が1,049,400円(税込)※工事費別

メーカー希望小売価格は「HE-YU46LQV」が1,266,100円(税込)、「HE-YU37LQV」が1,168,200円(税込)、「HE-Y46LQV」が1,147,300円(税込)、「HE-Y37LQV」が1,049,400円(税込)
※工事費別

「ウルトラ高圧」はシャワーの快適性を追求したタイプ。高圧と比較して約1.4倍の強さのシャワーが出ます。また、高圧も従来モデルより減圧設定圧力が10kPa上昇

「ウルトラ高圧」はシャワーの快適性を追求したタイプ。高圧と比較して約1.4倍の強さのシャワーが出ます。また、高圧も従来モデルより減圧設定圧力が10kPa上昇

パナソニック製の従来の「おひさまエコキュート」は、設定された昼間の時間帯にお湯を沸き上げていましたが、「日射量シフト」を搭載した新モデルは、翌日の日射量予報データを取得し、太陽光発電量の増加が予想される時間帯を中心に沸き上げを実行。太陽光発電の余剰電力をより賢く自家消費できるため、電力会社から購入する電力量が減り、電気代を抑えられます。

昼間の沸き上げ時間帯において日射量が多い時間帯を狙って沸き上げる時間をシフトするのが「日射量シフト」

昼間の沸き上げ時間帯において日射量が多い時間帯を狙って沸き上げる時間をシフトするのが「日射量シフト」

「日射量シフト」を使えば、従来の「おひさまエコキュート」よりも買電量や二酸化炭素排出量が減らせるうえ、電気代もダウン

「日射量シフト」を使えば、従来の「おひさまエコキュート」よりも買電量や二酸化炭素排出量が減らせるうえ、電気代もダウン

他メーカーのエコキュートにも「晴」や「曇り」などの天気予報と連携させて沸き上げ時間を調整する製品はありますが、パナソニックの「日射量シフト」は給湯器が設置されている地域の日射量予報データを取得し、1時間ごとの日射量を予測して沸き上げを行う時間帯を調整するのが特徴です。

天気予報は「曇り」でも「晴れ」のときより日射量が多いことも。日射量予報は太陽光発電を活用するのに向いた予報なのです

天気予報は「曇り」でも「晴れ」のときより日射量が多いことも。日射量予報は太陽光発電を活用するのに向いた予報なのです

なお、「日射量シフト」を使うには、スマートフォンの専用アプリ「スマホでおふろ」が必要。パナソニックは早い段階からスマホの連携機能を搭載しており、スマホアプリで手軽にお湯はりや追いだきなどができるようにしています。外出先などからリモート操作できるので、旅行などで家にいないときには旅先から「沸き上げ休止」することも可能。このほか、設定した警報や注意報が発令されると万一に備えて自動で沸き上げる「エマージェンシー沸き上げ」や、離れて暮らす家族の使用状況を確認できる「見守り」など便利な機能も充実しています。

「ふろ自動」では設定した湯量と温度で浴槽にお湯をはるだけでなく、保温と足し湯も自動で行ってくれます。そのほか、お湯はりを完了させたい時間の予約、お湯の量を増やさずに追いだきする操作にも対応

「ふろ自動」では設定した湯量と温度で浴槽にお湯をはるだけでなく、保温と足し湯も自動で行ってくれます。そのほか、お湯はりを完了させたい時間の予約、お湯の量を増やさずに追いだきする操作にも対応

2025年から都内の一部新築住宅で太陽光パネルの設置が義務化されることからもわかるように、今後は地球環境のために「自宅発電」がどんどん進んでいくはず。そんな家庭にとってエコキュート(おひさまエコキュート含む)は魅力的な住宅設備となりそうです。もちろん、太陽光発電設備がない家庭でも、エコキュートは節電・災害対策として大きなメリットがある設備。エコキュートは安い製品ではありませんし、設置には工事も必要なため気軽に導入できる製品でもありません。しかし、リフォームや新築時には一度導入を検討してみる価値があるはずです。

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