パナソニックのブルーレイレコーダー「全自動ディーガ」の2024年モデル5機種が発表された。いずれも指定したチャンネルのテレビ放送をまるごと録画する、いわゆる「全録」に対応。4K放送の録画とUltra HDブルーレイ再生に対応した「4X」シリーズ2機種と2K放送の録画とブルーレイ再生にのみ対応した「2X」シリーズ3機種という内訳はこれまでと同様だ。
一部にHDD容量の変更があるものの、新モデルのポイントはユーザーインターフェイス(UI)が一新されたこと。アプリでネット動画を見るようなスムーズさを志向したモデルだと言える。
従来モデルの型番は末尾が「2」だったのに対して、新製品の末尾は「3」。基本的なラインアップは同じだが、4K対応の6TBモデルが4TBモデルへ変更された。これは、4K対応の全自動ディーガをより手に取りやすく、と考えられたからだそうだ
UIが刷新されたいっぽうハードウェアには変更なし
「全録」に対応したブルーレイレコーダーシリーズ「全自動ディーガ」の新製品は約2年半ぶり。レコーダー市場は“右肩下がり”であることは間違いないものの、「全自動ディーガ」は「全録」機としての利便性が高く、とてもリピーターが多いという。
そこで、より多くの人にディーガの「全録」を体験してもらうため、使いやすくUIを刷新したということのようだ。いっぽうで映像処理などを行うチップを含めて、ハードウェア的には変更はないという。少し寂しい仕様ではあるが、こうして新製品が用意され、使い継げるだけでもありがたいことではある。
「4X」シリーズと「2X」シリーズの違いは、端的に言えば4K対応かどうか。「4X」シリーズは4K放送やUltra HDブルーレイの再生に対応する。そのほか、HDMI出力を2系統持っていることもポイント。音声と映像を別々で出力もできるため、AVマニアが選ぶならば、「4X」シリーズで決まりだろう。
そのほか大きめの変更点としては、ネット動画アプリの再生に対応しないこと。それはテレビに任せればよいでしょう、ということのようだ。
4K放送録画/Ultra HDブルーレイ対応「4X」シリーズの2モデル
HDMI出力を2系統持つのが「4X」シリーズの特徴。マニアにうれしい仕様だ
また、「DMR-4X1003」のみ写真の脚を装備する。「DMR-4X1002」では銀色だった脚が黒へ変更されたことは、数少ないハードウェアの変更点だ
2K放送録画/ブルーレイ対応「2X」シリーズの3モデル。主な変更点は両シリーズで共通している
“ネット動画アプリっぽい”ホーム画面の実現
それでは、どのようにUIが変わったのか。ひと目でわかるのはホーム画面が“ネット動画アプリっぽい”仕様になったことだ。録画したテレビ番組がサムネイルで並び、それらはジャンルで区切られていたり、お気に入りの俳優ごとでソートされていたり、あるいはよく見る番組から類推して好みに合わせた番組を提案していたりする。現代に求められる仕様に全面的にアップデートされたと言ってよいだろう。
ホーム画面を出すと、上にカーソルを合わせた番組のプレビューが、下にジャンル別の録画番組やカスタマイズした項目が並ぶ。左に縦に並んでいるアイコンを選ぶと、詳細設定などを行える
ホーム画面はユーザーの好みにカスタマイズ可能。さらに、どのようなフィルタリングをするかはユーザープロフィールごとに使い分けできる。もちろん、プロフィールに応じて提案される番組も変わるという
新機能として、「出演者おすすめ」という提案をできるようになった。視聴した番組の出演者をEPGから抽出し、「この番組にも出演していますよ」という具合にほかの番組を提案してくれる
リモコンの動作も“ネット動画アプリっぽい”仕様に
UI変更とプロフィール管理対応で“ネット動画アプリっぽい”仕様になったわけだが、操作系も少しネット動画アプリに近づいている。十字キーの左右を押すと、それぞれ10秒戻し、10秒送りとして動作するのだ。実際に少し操作してみると、反応は良好でスムーズ。とても使いやすそうだ。
OSがFire TVとなったパナソニックのテレビ(ビエラ)にインスパイアされたのか、「全自動ディーガ」の操作系も直感的にできるように少しだけ改められた
「4X」(左)と「2X」(右)シリーズのリモコン。パナソニック伝統の、と言いたくなる見慣れた形だ。ただし、新製品はネット動画再生に対応しないため、Netflixダイレクトボタンが省略されている
録画した番組の編集機能もリニューアルされた。これまではサムネイル表示される編集画面が見にくかったところ、しっかり全画面を見やすく表示するようになった。朝の番組の時計表示や見出しも切れないので、「推し活」の編集にも便利だとアピールする
外付けHDDの対応容量が大幅アップ
最後に注目すべきポイントとしてあげたいのが、外付け(USB接続で増設できる)HDDの対応容量が大幅にアップしたこと。これまではHDD容量4TBまでの対応だったところ、新製品5モデルはすべて8TBのHDDに対応する。
HDD容量(とチューナー数)で大きく価格の変わる製品だけに、これはうれしいアップデート。内蔵HDDと外付けHDDはまったく同じように使えるわけではないとしても、俄然HDD容量が控えめの4K対応モデル「DMR-4X403」がお買い得に感じられる。Ultra HDブルーレイのプレーヤーとしてもレコーダーを持っておきたい、というユーザーにはぴったりの選択肢になりそうだ。
操作性なんて関係ない! という画質・音質至上主義のハードコアAVマニアは従来モデルでも事足りそうだが、新モデルは間違いなく利便性が上がって、レコーダーとしての価値が高まっている。価格にもよるかもしれないが、これから購入するならばぜひ新モデルを選びたいところだ。
外付けHDDは最大8TBに対応する
従来モデルとの機能比較一覧。VODアプリ、つまりネット動画再生には対応しないことに注意
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