iPhoneユーザーならやっぱりApple Watchを使いたい! だけど、ラインアップやバリエーションが多くてどれを選べばいいのかわからない。そんな悩みを解決すべく、Apple Watchの現行ラインアップをおさらいし、各製品の特徴や、選ぶ際に確認したいポイントを整理。各モデルがどんな人におすすめできるのかまとめました。
なお、価格は、2024年9月時点におけるApple Store(オンライン)のものです。
2024年のラインアップを確認
2024年9月時点のApple Store(オンライン)では以下の6モデルが展開されています。
・Apple Watch Series 10:2024年9月発売(スタンダードモデル)
・Apple Watch Ultra 2:2023年9月発売(アウトドア向けモデル)
・Apple Watch
SE(第2世代):2022年9月発売(廉価モデル)
・Apple Watch Nike(ブランドコラボモデル)
・Apple Watch Hermès(ブランドコラボモデル)
・Apple Watch
Hermès Ultra 2(ブランドコラボモデル)
このうち、ブランドコラボモデルである「Apple Watch Nike」はデバイス部分の仕様がスタンダードモデルの「Apple Watch Series 9」とほぼ共通しています。また、Hermèsコラボモデルには、「Apple Watch Series 9」をベースにした「Apple Watch Hermès」と、Apple Watch Ultra 2をベースにした「Apple Watch Hermès Ultra 2」の2種類があります。
こうしたブランドコラボモデルの魅力は、専用の文字盤や、こだわりのストラップバンドになるので、ここでは情報を端的に整理するためにいったん除外。以降は、現行のApple Watchのラインアップを以下の3種類に単純化したうえで、それぞれのモデルについて概要をチェックしていきましょう。
・Apple Watch Series 10
・Apple Watch Ultra 2
・Apple Watch SE(第2世代)
久しぶりに買い替えるなら「Apple Watch Series 10」
日常使いのために購入する場合は、2024年秋に発売されたスタンダードモデルの「Apple Watch Series 10」がおすすめです。本世代では、従来世代の機種と比べて、ケースサイズが大きくなり、42mmモデルと、46mmの2サイズ展開になったのがトピック。いっぽう、ケースの厚みは、従来世代よりも薄くなっており、日常使いでもスポーツシーンでも取り回しのよい一台に仕上がっています。
ケース素材は、軽くて安価な「アルミニウム」と、高級感のある「チタニウム」の2種類から選択可能。従来世代でおなじみだった「ステンレススチール」は、環境配慮の面からケース素材としては廃止されています。Apple Store(オンライン)での価格は、アルミニウムケースが59,800円~、チタニウムケースが109,800円~です。
「Apple Watch Series 10」のアップデートとしては、ディスプレイの進化に注目。最大輝度は屋外でも視認しやすい2000nitsと、数値自体は前世台モデルと変わっていません。いっぽうで、ディスプレイの視野角が広くなったことで、斜めから見た際にも、画面の明るさを維持しやすくなったことがポイントです。
また、ディスプレイに関しては、電力効率が改良され、常時表示中の表現がリッチになったことも見逃せません。具体的には、従来世代は1分に1回の書き換えだったのに対し、「Apple Watch Series 10」では1秒に1回への書き換えとアップデートされています。これによって、常時表示中に文字版のアニメーションを楽しみやすくなっており、これを生かした文字盤も新搭載されています。
なお、ケースデザインの刷新によって、SiPやスピーカーなどの内部モジュールも再設計されており、特にサウンド面は機能としても進化を遂げました。具体的には、通話時以外の楽曲再生やPodcast再生時などにも、内部スピーカーを使ったサウンドの再生に対応。さらに、S10 SiPとニューラルエンジンの機械学習処理を活用しつつ、マイクで「声を分離」機能が使えるようになったことなども見逃せません。
センサー類としては水深6mまで対応する水深計や、水温センサーを搭載。ダイビング利用はできないものの、シュノーケリングやサーフィン、オープンウォーターでのスイミングなどで活用しやすくなったこともチェックしておきましょう。
そのほか、ダブルタップジェスチャーによる操作や、オフラインでのSiri利用、皮膚温センサーの搭載など、「Apple Watch Series 9」から踏襲した機能も盛りだくさん。特にセンサー類に関しては、watchOS
11で追加される「バイタル」アプリなどの新機能も生かしやすい構成になっています。数世代ぶりに買い替えるならば真っ先に検討すべき一台です。
アウトドアで楽しむなら「Apple Watch Ultra 2」
2023年秋に発売されたアウトドアモデルの「Apple Watch Ultra 2」は、アウトドアシーンでの活用を想定したデザインや機能を多く備えるので、万人受けするモデルというよりは、屋外アクティビティが好きな人のためのこだわりの一台と言ったところ。ただし、価格は、Apple Store(オンライン)で128,800円(税込、以下同)。Apple Watchシリーズの中でも、群を抜いて高価です。
なお、2024年秋の発表では、新モデルの発表はありませんでしたが、新しいカラーバリエーションとして、「ブラック」のチタニウムケースが追加されました。従来の「ナチュラル」と合わせた2色を選択できるようになっています。また、シリーズ初となるメタルバンド「チタニウムミラネーゼループ」も追加されました。
Ultraシリーズならではの特徴としては、ケースサイズが49mmと大きく、ディスプレイ面も台座のように盛り上がった形になっています。また、物理ボタンの形状や数も異なっており、基本の「Digital Crown(デジタルクラウン)」と呼ばれるリューズ状のボタンや、その横にある「サイドボタン」は、ほかの2モデルと比べてやや大きめで、グローブ装着時などでも操作しやすいことがポイント。さらに、ケースの反対側面には、「アクションボタン」が備わっており、アプリのショートカット起動などを割り当てられます。
耐久性がすぐれていることもUltraシリーズならではの特徴です。たとえば、「Apple Watch Ultra 2」は、水深40mまでのレクリエーショナルスキューバダイビングなどで利用可能。また、手首に装着時の動作時温度が-20度から55度までをカバーしているため、ウィンタースポーツや寒冷地などでの利用にも適しています。ちなみに、先述したスタンダードモデルの「Apple Watch Series 9」では、動作時温度が0度~35度に限られるので、差を認識しておくとよいでしょう。
加えて、仕様表に記載されているバッテリー持ち時間も最大36時間、低電力モードで最大72時間と長め。先述したApple Watch Series 10の最大18時間、低電力モードで最大36時間と比べると、電池持ちは倍です。
ちなみに、初代Ultraからの差分としては、以下の3点を覚えとくとよいでしょう。
(1)頭脳が「S9 SiP」へアップグレード
(2)ディスプレイの最大輝度が3000nitまで向上
(3)ストレージ容量が64GBに増加
価格優先なら「Apple Watch SE(第2世代)」
新機能には興味がなく、なるべく安価にApple Watchを入手したいならば、22年9月に発売された「Apple Watch SE(第2世代)」が狙い目。価格は34,800円からで、最新世代のスタンダードモデルと比べて25,000円も安く入手できます。ただし、サポートしていない機能が複数あることはあらかじめ理解しておきましょう。
筐体デザインに関するポイントは2つ。1つ目は、ケース素材が「アルミニウム」しか選べないこと。2つ目は、「Apple Watch Series 10」と比べてディスプレイの表示領域が少し狭まることです。ケースサイズは44mmと40mmの2種類から選べます。
機能については、「Apple Watch SE(第2世代)」では以下の8つが利用できません。
(1)血中酸素ウェルネスの測定
(2)心電図の測定
(3)皮膚温の計測
(4)高速充電
(5)常時表示
(6)ダブルタップジェスチャー
(7)Siriのオンデバイス処理
(8)水温センサーと水深計
すでに「Apple Watch Series 10」の解説にて説明した機能のほかにも、「血中酸素ウェルネスの測定」「心電図の測定」「高速充電」などが差分としてあるのがわかります。これらの機能が欲しい場合には、「Apple Watch Series 10」を選んでおいたほうが満足度は高くなるでしょう。
いっぽう、これらの機能が不要な人であれば、「Apple Watch SE(第2世代)」を選んだほうが、費用を抑えられます。廉価モデルとはいえ、「Apple Watch SE(第2世代)」は基本的にスマートウォッチに期待されがちな機能をまんべんなく備えています。
運動(ワークアウト)の計測、睡眠の計測、心拍数/活動量の計測、通知の表示、アラームの設定、アプリの使用、コンパスの使用、転倒検出、衝突事故検出などは問題なく使用可能。シンプルに日々の活動量を測定でき、Apple
Payが使えればよい、くらいのイメージでスマートウォッチをお探しならば、SE(第2世代)を選択してもおそらく不足はないでしょう。
GPS + Cellularモデルとは?
上述してきた3つの系統のほか、Apple Watchの購入を検討する際には「GPSモデル」と「GPS+Cellularモデル」について選択する場面が出てきます。両者の違いを把握しておきましょう。
GPSモデルとは、Apple Watch単体でモバイル通信が利用できない機種のことを指します。つまり、外出時などに、ペアリングしたiPhoneを近くに持っていないと、Apple Watchで通話を行ったり、メッセージを送受信したりすることはできません。
GPS + Cellularモデルとは、専用の通信プランを契約すれば、Apple Watch単体でもモバイル通信が利用できる機種のことを指します。この場合、外出時にペアリングしたiPhoneを携行していなくとも、Apple Watchからメッセージの送受信や緊急通話の発信などの機能が利用できます。
ただし、GPS + Cellularモデルのほうが高額であり、専用の通信プランを契約するために別途月額の維持費も発生する点は留意しておきましょう。
なお、上述してきた3モデルについて、「Apple Watch Ultra 2」ではGPSモデルの選択肢がなく、GPS + Cellularモデルのみが用意されています。「Apple Watch Series 10」および「Apple
Watch SE(第2世代)」では、GPSモデル、またはGPS + Cellularモデルを選択できます。
選び方のまとめ
最後に、購入したいApple Watchを絞り込む手順を、簡単におさらいしておきます。
まず、登山やウィンタースポーツ、ダイビングなどの比較的過酷な環境でアウトドアスポーツを楽しみたい場合には、「Apple Watch Ultra 2」がおすすめです。いっぽう、日常使いでの運動管理やヘルスケア管理が基本用途になるのならば、スリムな「Apple Watch Series 10」がおすすめ。ダブルタップジェスチャーや、常時表示ディスプレイ、皮膚温計測、高速充電などにこだわらず、なるべく安価に入手したければ、「Apple Watch SE(第2世代)」をチェックです。なお、「Apple Watch Ultra 2」や「Apple Watch Series 10」を選ぶ場合には、派生としてブランドコラボモデルのバリエーションも確認しておきましょう。
そのうえで、ウォッチ単体での通信機能が必要かどうかを判断します。そして、自身の好きな色やバンドの組み合わせを探っていきましょう。
ちなみに、アップルの公式サイトには、「Apple Watch
Studio」というWebページが用意されており、画面サイズやケースの種類、バンドの種類などの組み合わせで、好みの組み合わせを探せるようになっています。こちらも必要に応じて活用してみてください。
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